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堀 文子先生のホロスコープを読む

堀文子

日本画家・堀 文子 先生のホロスコープを読んでみます。

まず日本画といわれて、浮世絵や水墨画を想像する方が殆どではないかと思うのですが、
美しい岩絵の具で描かれた日本画は非常に奥深く、シンプルな線と色数で自然・風景を描いたものや人物(美人画)を描いたりと、マンガ・イラスト・アニメの表現を見慣れている日本人にとって非常に親しみやすい絵画世界です。
西洋に比べるとデッサンは狂っているように見え単調(に見える)かもしれませんが、
そこに日本人にしか表現できない精神性が宿るのです。

堀文子先生は2019年2月に100歳で亡くなりましたが、その画風やテーマの変遷を見ても非常にパワフルで常に1ミリでも上昇するという気概に溢れており、大変魅力的な人です。
(堀先生のお誕生日に合わせてリーディングしたかったのですが、大幅に過ぎてしまいました😢)

1918年7月2日:東京◆出生時間不明なので12時で出しています。

太陽:蟹座 / 月:牡羊座
男:7 / 女:3
活動:5 / 不動:3 / 柔軟:2
火:3 / 地:0 / 風:4 / 水:3

太陽・月ともに活動宮で、非常にパワフルな行動力を持っていることが分かります。
牡羊座の月は勢いがあり、興味のあるものに対して瞬発力があり熱中して打ち込みますが、冷めやすい傾向も。
蟹座の太陽は自分の属するグループや祖国など、ルーツに対し愛情をもち、伝統を守ろうと活発に働きます。外敵や外界に対しては排他的です。また、感情は敏感で起伏の激しさを持ちます(支配星の月は満ち欠けすることから、感情の起伏になぞらえられます。さらに月の影響が強く出る蟹座第1グループです)。
月の位置は15度付近にあり、太陽とはスクエアです。
心理的な欲求と社会的な方向性の間で大きな葛藤があると予想されます。

太陽ー冥王星のコンジャンクション
限界へ挑戦し挫折しても何度も立ち上がるような胆力、克己心、野心・権勢欲・強烈な個性を持ち
また、火星とはスクエアで、境遇に激しく抵抗し、不服従や口論、闘争心を持ち強情…という強烈なエネルギーが伝わるアスペクトです。
堀先生の境遇も非常に強烈なものがあります。


自然界の営みの神秘、不可思議さを突き止めたいという欲求から科学者になりたかった
躾厳しい家庭で、女が大学へ入り男子と同様に勉学に勤しむという状況ではなく、男女差の壁が立ちはだかり、どうして女にはこのようなハンデがあるのだろう、こんな差別は絶対に許さない

(価値の逆転を信じて不利に立ち向かったあの幼い日の覚悟は、その後の私の生き方を決めたようだ)
躾の厳しい親に仕えたことも重なり、自己抑制が強く働き、正反対の価値を同時に抱え込むこととなり、私の思考は常に分裂する結果になった

…と画文集で述懐されています(赤字で書いた部分は「堀文子画文集ー命の軌跡」からの引用となります)。
月は幼児期の感情をつかさどりますが、太陽ー冥王星コンジャンクション(+近くにある水星)とスクエアです。
太陽は父親、冥王星は絶対的な権威者、根底から支配されるような感覚をもたらす惑星ですが、堀先生がご自身の生家や国家に対して痛烈に実感していた、女性差別や被支配の感覚、正反対の価値を同時に抱えた結果の思考分裂…
太陽と月のスクエアだけでも葛藤が大きいだろうに、そこに圧倒的圧力の冥王星。

絵で自己主張しようという意志もなく、名を揚げようという気もなく、心に響く美しいものを記録しながらここまで来た。
むしろ絵に自分自身の苦渋の痕跡を留めないようにしてきたところがある。
隠匿癖があって、自己顕示欲が乏しい

太陽・月に冥王星が関わるとあれこれ自己主張する感じにはならず大人しく見える人が多いです。
大きすぎる器になんでも受け入れて、ある日限界が来ると決壊し…
器はもともと非常に繊細なのです。繊細すぎるため、自分の感情の部分に蓋をするか、見えていないふりをして受け入れているのだと思います。
「春炎」1970年作の絵は、美しい花が炎で焼かれる絵ですが、自分の性を焼き殺す_というような物騒な脚注がされています。表現の強烈さ…

女性性を表す金星のアスペクトは非常に華やかです。
火星とのトライン、天王星とのスクエア、海王星とのセクスタイル。

金星ー火星
彫刻、貴金属工芸、絵画などへの芸術的天分を持つ。芸術家にとってあると良いアスペクトの一つですね。
また、社交運もよく人情味ある人だと窺えます。

金星ー天王星
革新的な美意識で、先を行く流行や自由気ままさ、それゆえの我儘な感情など。
芸術やファッションに関わる人は、この組み合わせがあると目立つので良いですよね。
堀先生の天王星は水瓶座で支配星回帰中ですから、社会の枠組みを超えて普遍的でありつつも、革新的な主張をしています。山羊座的・タテ社会的な集団には迎合しません。
画壇とは距離を置き、独自路線をゆき、孤高の画家でありました。
また、離婚や離別などに遭いやすいとされています。
病弱であったご主人とは1960年に死別されており、その後世界を放浪する中で日本画の素材が持つ美しさに回帰しています(それまではシュルレアリスム、アンフォルメルに影響を受けた作風でした)。
非常にお洒落な方で、どの写真を見てもお美しいです。
南米の民族服やアニマル柄なども上品に着こなされています。

金星ー海王星
音楽・芸術への献身性、洗練された高尚な趣味や情緒性を持ちます。
同時に感覚的で快楽に夢中となる場合もありますが、美に没頭し、追求しようという芸術家には有利なアスペクトでしょう。
海王星は獅子座にありますので表現活動には良い影響がありそうです。

また、火星と海王星のセクスタイルもあります

火星ー海王星
イマジネーション豊かで、熱心に理想を追求します。
芸術の興味は移ろいやすく、霊的・精神的大望のために感情や情熱をコントロールしますので、穏やかに働く火星であると言えます。
このアスペクトは芸術家にとって素晴らしい表現力(と、その方向性)として働くようです。
参考まで、各アスペクトで方向性が違います。
60度)純粋で朴訥とした表現の美しさ、_上村松篁、結城素明、奥村土牛、堀文子
120度)徹底した表現の調和的で繊細な美しさ_黒田清輝、菱田春草、上村松園、鏑木清方、石井林響、小野竹喬、小茂田青樹、山口蓬春、平山郁夫
90・180度)大胆で生命感あふれる美しさ_川合玉堂、富田溪仙、松岡映久、川端龍子、中村岳陵、高島野十郎
など。明治~大正期頃の約50人から抽出。120度が非常に多いです。

金星のアスペクトは金星を含め、みな男性星座でもあります。
表現は外側へ向かい雄弁に語るようであります。
双子座の金星なので興味の対象が移ろいやすく、柔軟な画題と表現力・こだわりの強い美的感覚が窺えます。

感覚的人間で、言語や知識で見ず、動物のように色や形、音といった、
いわば原始的な感覚で世界を把握する傾向がある

堀先生の4区分では地が0です。地は五感、実際的な感覚を象徴します。
風が4で双子座の金星が、天秤座・水瓶座・獅子座にある天体からのアスペクトを受けていますから、原始的な感覚というのを「知」「精神」をもって理解しようと過剰に働いていたのでは、と思います。
そしてまた、牡羊座の月の影響もあるのでしょう…

私と私の絵の関係は、その時その時をどう生きているか、その痕跡を絵に表すので一貫した画風がないが、画風がさまざまに変わって見えても、それらは全て私自身なのである

1987年頃、バブル景気に浮かれた日本で生きるのが嫌になりイタリアへ移住
1998年頃、インカ帝国・ペルーへ取材し、森・土・魚・鳥に神を視る、プレ・インカの文化が八百万の神に手を合わす日本の文化に非常に近いと知る
2000年、高山植物のブルーポピーを求めて、ヒマラヤ山脈の高地を踏破

これはほんの一部にすぎませんが、それでもスケールの大きな行動力を感じずにはいられません。

蟹座の象意について、まだまだ勉強不足感がぬぐえませんが、堀先生の作品と人柄を通してホロスコープを観察する中で、少しだけ理解が進んだようで嬉しいです。

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